新宿東宝
何度見ても面白い。
見る度に発見がある。
定期的に見直す機会を得て、その度に発見を得る映画ってなかなか無いが
そのうちの一つ。
「ローマの休日」「七人の侍」「西鶴一代女」「東京物語」「戦争のはらわた」「日本一の無責任野郎」などに入る。
コッポラやはり気違いだなと思う、
こんな映画撮って。
ベトコンをしっかり殺して、死ぬシーンまで手抜き無し。
黒澤の七人の侍も端々まで演出してるがこれもまた凄い。
戦争のはらわたが戦争映画ではナンバー1に思ってたが、
こっちに軍配を上げ直すべきか。
ペキンパーもコッポラも取り上げる人物像は似ている、極限状況に取り憑かれてどこかずれてしまった男、狂気が頭に巣食うと言うのか。今回カーツもおかしいがウィラードがまたおかしい。
ペキンパーはロマンチックでシニカルで真面目、
加えてコッポラにはアホらしさがある。
ロバートデュバルの怪演がまた良い。
中学生で初めて見た時、
後半ウィラードがカーツに会ってから、特にカーツの言葉はよーわからなかったが、
何度か見てるうちに含蓄深く。
戦争のはらわたの格調に勝るとも劣らない。
実はベトナム戦争は単なる舞台設定、
狂言回しに過ぎないんだなと改めて思えた。
が、あの原作をベトナム戦争にはめたのはさすが。ホメロスのオデッセイア、ダンテの神曲、地獄巡りを想起。
見終わって、映画を見たなあと感じられる映画だとあらためて感じた。
このトリップ感はなかなか無い。
全体にブレードランナーを想起した。
雰囲気が似てる。
人間に興味を持ちその対象を追求しながら自らに懐疑してしまう点だろうか。
原作を読み直したくなって
その足で紀伊国屋にて購入。
コンラッド「闇の奥」
これもまた良し。