阿佐ヶ谷ラピュタ
自分にとっての大阪のイメージは
ずーっと阪田三吉、「王将」だった。
学生の頃からずーっと見たくて
ぜひ大画面で見たくて、
意地でもビデオも配信も見ずに機会を待った。
なぜかいつもタイミングが合わず、
やっと見る機会を得た。
嬉しい!
村田英雄の「王将」のイメージがあり、
阪本順治の「王手」のような勝負師の描写を
主にしたものかと手に汗握り画面に臨んだ。
豈図らんや、主人公阪田三吉の人間的成長を軸に、彼を支える妻小春、娘玉枝、好敵手関根との人間の交流、情けの受け渡しを描写したものだった。夫婦の情愛を描くメロドラマとも言えよう。「王将」とは将棋指しの象徴ということではなく、夫婦の絆の象徴であったと言うのが胸にせまる。
「無法松の一生」に近いだろうか。
端々に見られる移動カメラの撮影。
息を持つかせぬ画面の躍動感。
端正な台詞回しのかっこよさ。
何よりやはり坂東妻三郎の存在感。
物語終盤の関根の名人襲名の祝宴からの
一気呵成の展開。
阪妻の存在感を堪能。
関根の返しも見所。
快作。
本特集、他にも何本か視聴。
坂東妻三郎、凄い役者だ。
監督、伊藤大輔も。
これから機会を探し全作品見通したい。