https://allreviews.jp/review/4059
松方弘樹特集最終作。
初見。やっと見られた。
噂通の面白さ。
「実録外伝大阪電撃作戦」
「沖縄ヤクザ戦争」
と今回3本見たが、本作が一番。
「無頼」、「アウトレイジ」でも同様なシーンあり。一種のオマージュか。
画面の醸し出す雰囲気が最近のヤクザ映画と全く違う。迫力、緊迫感、重厚感。
俳優のキャラクターなのか?
演出か?
撮影なのか?
脚本か?
白石和彌などこの迫力を再現というか参考にしてるんだろうが、やはり及ばない。
昭和の日本の実録路線の継承者は
韓国映画に感じる。
テーマの選択、演出、撮影全て。
今の日本じゃ作れないだろうな。
松方弘樹が演じる主人公のモデルとなった
ヤクザ組長は映画公開後、
本当に殺されてしまった。
そのせいもあり未だに福井県では上映されないとのこと。
現実をモデルに作られた映画が現実に影響し、
現実の改変を虚構が招き現実が虚構を後追いして筒井康隆のSFを思い出す。
ラジオドラマの「宇宙戦争」で実際のアメリカ社会で混乱が起きたことも思い出した。
最近だとネットフリックスの「新聞記者」が物議を醸していた。
冒頭、「この映画はあくまで架空のもので実際に存在する団体など想定されても全く関係ない」とことわりのクレジットがはいる。
この頃の映画ではよく見かけた。
これに見習いこのエクスキューズを入れて映像化したら、「新聞記者」も「MINAMATA」も文句出ても知らんがなと言えると思うんだが。30年ぐらい前に読んだ「松坂慶子物語」もそうだったよな気がする。